この指導案は「保育士」という立場から「ダルクローズ」を応用する、といったスタンスのリトミック指導案です。それなので、純粋な「ダルクローズ・リトミック」の指導ではありません。
最近、このような物を取り入れてみました。
ブームワッカーという楽器で、ドラムサークルや音楽療法など幅広い現場で使用されているものです。
これを購入すると付いてくる説明書に、ゲーム(活動)の一例が紹介されていました。
内容を簡単に説明しますと…
・一人一本、色が異なるように持ちます
・四拍子のビートに合わせ、一拍目にスタートの人が鳴らす色を指定
・二拍目は空けて三、四拍目を鳴らす
・鳴らした人は次の一泊目で色を指定〜繰り返し
といったものです。
早速、少ないボーナス使ってセット買いしたから元を取らないと子ども達の楽しむ姿を見たいと思い、保育園の四歳児クラスに、このゲーム活動を下ろしてみました。
さて、本題ですが、指導案の中身である「活動内容」は上記で触れた説明書に載っていたものを使用するので既に決まっているようなものです。
とはいえ、そのまま子どもにルール説明して「ハイ、始めましょう」とはいきません。
今回は指導案の紹介というより、いかに指導を「進めていくか」といった活動の組み立て方に注目していきます。(偉そうに言っていますが、あくまで私の実践記録として参考にしてください)
☆「導入」 目的→子どもに興味を持たせる
・全員座った状態で楽器の紹介、質問してみる(な〜んだ??)、見せる、聴かせる
・子ども達が持って自由に鳴らしてみる(3〜5分)
・一度、回収する
☆「活動1」 目的→ルールの理解
・全員が手を繋いで輪になる、形になったら手を離す、指導者も加わる
・実際に示しながらルール説明、一拍目を指導者が「ハイ!」と合図、二泊目をウン、と頷くジェスチャー、三、四拍目を全員でクラップ この流れを「ハイ、(ウン)、パチ、パチ」といった言葉にして繰り返し行なってみる。慣れてきたら「ハイ」を子どもの名前にして、指名された子だけが「パチ、パチ」という流れにしていく。八割程出来てきたら次へ。
※指名は常に指導者がするようにした
☆「活動2」 目的→楽器を使って楽しんでみる
・一人一本ブームワッカーを持たせる。
・「今度は名前ではなく色で呼びます」と短く説明、進める。
・ある程度遊べた所で今回は終了、楽器を回収する。
☆所見・反省
「導入」では、ブームワッカーを使った初回の活動ということで、子どもの興味をひくこと、何より「やってみたい」という欲求を満足させる事を目的にしています。一度、楽器を回収するのは、その後に「輪を作る」「ルール説明」と重要な事柄が控えているためです。
子どもは手に何か持っている状態だと、集中力がそちらへ流れていってしまい、話を聞くことが難しくなってしまいます。
「活動1」では、最初に手を繋いで「輪」になりました。輪だと、子ども一人一人が全体を見渡せるため、こういった全員での活動では有効です。仮に「一列に並ぶ」でも行えますが、そうすると活動を進めるうちに子どもは「離れた友達」を気にしだして一歩前に出て覗き込み、その隣はもっと覗き込み…と列が乱れるでしょう。
肝心のルールは「ハイ、(ウン)、パチ、パチ」をフォーマットとして、最初は全員で、次に名前を呼ばれ一人で、と進めながら慣れていけるようにします。一つのルールでも細かくステップアップしていけるよう設定すると、子ども達も無理なく進められます。
「活動2」は、ようやく本題です。とはいえ、今回は完璧に行う必要は無い、と判断しました。ここまでで、所要時間は10〜13分ほど。子どもの集中を考えると、一つの活動としては長すぎるからです(四歳児クラス)。楽器に触れた事、ゲームを経験してみた事を今回のゴールとして、また次回以降に続きます。
楽器を片付ける際、「はい、ここに片付けてー」と適当に進めると、片付け終えた子から散らばり始めるでしょう。次の活動に移る前に「子どもを集める」といった余計な手間が増えてしまうので、「片付けたら、(場所を指定して)座りましょう」と一連の流れを伝えてから楽器を回収するとその後がスムーズです。
今回行った活動ですが、リトミックの目的でいうと「ビートに合わせる」という事にしました。合図に捻りを加えたり、一箇所ルールを足したりと発展させれば、しばらく飽きずに続けられそうです。ブームワッカーのみで音階を鳴らす事が出来るので、簡単な合奏にも使えますね(現在、5才児クラスで音符とリズムの活動をしており、そこに適用予定)。
指導者の力量次第で、色々な事に使えそうです。
指導する、という難しさは、アイデアを捻り出す「活動案作り」よりも「案を現場に下ろす」方にあると感じます。そうして出来上がった指導案の段階は言ってみれば机上の空論状態。
出来上がった指導案から、さらに熟考して子どもの出方を幾通りにも想定し進め方の対策を練る…いかにゴールへ導いていくか!?詰将棋的な面白さがあります。